大判例

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仙台高等裁判所 昭和28年(う)839号 判決

次に、職権を以つて原判決を調査するに、選挙人又は他の選挙運動者に金品を供与すべき者の負担附にて金員を供与した場合には、その負担の趣旨に従つて支出せられた金額はこれを控除して没収又は追徴を命ずべきものである。ところで、原判決は被告人から金三千円を追徴しているけれども、原判決挙示の証拠によれば、原判示二の事実における金二千円は菅野鉄之助から被告人に対し選挙人伊藤幸治ほか四名に投票することの報酬として煙草を買つてやつてくれるよう依頼し、これにつき相当額を支出した残額を被告人に収得せしめる趣旨で授与されたものであり、被告人はその趣旨に従つて煙草五十個を金千五百円にて買求めて前記選挙人等に十個宛供与し、残額五百円を自己に収得したものであることが明かである。従つて、右金二千円は前記負担附供与の関係と認定すべきであるから、被告人の受けた利益は煙草代金として支出した千五百円を控除した金五百円と認むべく、これと原判示一の事実における金千円との合計金千五百円は没収することができないから、その価額を被告人から追徴すべきものである。されば原判決は判決に影響を及ぼすことが明かな法律適用を誤つた違法があるものというべく、破棄を免れない。

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